さて、ここまでの225CFDの動きは率直に言って「想定外」であったことを認めなければならないだろう。日々カウントを更新している限りにおいては現在の株価も想定の一つではあるが昨年3月のコロナ安値の時に28000円という株価は全く想定していなかった。
このまま株価が31200円を超えてしまうと、従来③の(3)の3波とカウントしていた波動よりもコロナ安値からの上昇波動の方が大きくなってしまうことになる。
仮にそのような動きになれば、サイクル級の波動のカウントから抜本的に見直さなければならないだろうし、現時点においても見直しの準備をしておくべきだろう。自分の「予想」に縛られて相場を客観視できなくなるほど愚かなことはない。
見直し案として、まず挙げられるのはこれまでにも何度か提示してきた次のカウントである。(週足)
このカウントの最大の弱点はII波が値幅(変化率)と継続時間の両面でI波と比較して小さ過ぎることだ。
その点を勘案して再考したのが次のカウントである。(週足)
このカウントによると、現在はIIIの③波が進行中ということになる。
こうしたカウントが有効であるためには、3月のコロナ安値からの波動を次のようにカウントすることが前提となるであろう。(4時間足)
だが、以前にも言及したように、こうしたカウントは「ルール」違反ではないが「ガイドライン」はほぼ無視したものになっている。エリオット波動原理を元に分析している以上はより多くの「ガイドライン」に適合するカウントを優先させることが原則となる。
そうした観点からは、3月のコロナ安値からの波動を次のようにカウントすることをまだ排除することはできない。(4時間足)
もしくは次のようなカウントだ。(4時間足)
このように現時点での波の進行状況からは3月のコロナ安値からの波動はダブルジグザグであるように見える。
現状の株価の勢いを考えると、サイクル級のIII波を進行中のようにも感じるが、波動を客観視すればそうは見えないというのが現時点での答えである。過去の反省からも「その時のマーケットの雰囲気でカウントするのはなく、あくまでチャートを客観的に観察すべし」という教訓がある。
そして、先入観を全て排除した状態で、リーマンショック後安値からの波動を新たにカウントしたのが次のチャートである。(週足)
リーマンショック後安値からはダブルジグザグが進行中というカウントだ。
y波終点の株価としては、想定図を参考に終点付近にあるフィボナッチ比率が出現する株価を探してみたところ、「y=w×0.618」となる37846円や、「Ⓒ=Ⓐ×1.618」となる33500円などがターゲットの候補になる。
ただし、実際のチャートを分析してみると波動の比率がフィボナッチになっていることはほとんどないというのが「現実」であり、これらの数字は参考の域を出ない。
また、リーマンショック後安値からの波動がダブルジグザグであった場合は、次のように平成バブルからの巨大な修正波は依然継続中ということになる。(週足)
巨大な修正波全体としては、トライアングルやフラットなどの波形を想定することができそうだ。
もちろんこれらは現在のチャートをゼロベースでカウントしたときに考えられるものの一例に過ぎない。
マーケットに参加している者の一人としては、リーマンショック後安値を起点として大きな上昇波動に入っているように感じてはいるが、波動の形だけを見ると10ページの下に提示したカウントは文句なしにキレイである。
さて、16日(土)の朝になった。225CFDはどのように動いただろうか。
まずはパターン1から見ていこう。
15日朝の時点(15分足)
16日朝の時点(15分足)
現在のところ、株価は見事にパターン1の想定ラインに沿って動いているように見える。今後の動きにも注目していきたい。