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当研究所では、エリオット波動研究のための基本資料として以下の書籍を使用しています。
①『エリオット波動研究』
①『The Wave Principle』
『The Wave Principle』(1938年の論文)
R・N・エリオット著
エリオット波動の発案者であるR・N・エリオット本人が、エリオット波動について最初に発表した論文。
②『Nature’s Law』
(自然の法則)
R・N・エリオット著
1946年に書かれたエリオットの代表作。
Nature’s Law: The Secret of the Universe (Elliott Wave)
※①と②につてはエリオットの著作集『R.N.Elliott’sMasterworks:TheDefinitiveCollection』に収録。
③『The Elliott Wave Principle - A Critical Appraisal』
(邦訳『エリオット波動~ビジネス・サイクル』)
ハミルトン・ボルトン著
エリオット波動の価値を見出し、広めたボルトンによるエリオット波動に関する著作。
『The Complete Elliott Wave Writings of A.Hamilton Bolton』に収録
The Complete Elliott Wave Writings of A. Hamilton Bolton
④『Elliott Wave Principle : Key to Market Behavior』
(邦訳『エリオット波動入門』パンローリング刊)
ロバート・R.フロスト、 A.J.プレクター著
エリオット波動に関して現在もっと権威あり幅広く読まれているテキスト。エリオット波動研究の現代の基礎・基準となる本。
Elliott Wave Principle: Key to Market Behavior
※アマゾンドットコムで検索すると2005年版が最新版である模様ですが、ハードカバー版とソフトカバー版があって、内容が少し異なっています。ハードカバー版の方が最新の知見を反映して最新の内容になっているようですので、もし購入する場合には2005年版のハードカバー版をおすすめします。
なお、邦訳の『エリオット波動入門』は1998年版を翻訳したものであり、2005年版のハードカバー版とは内容がところどころ異なっています。
⑤『Visual Guide to Elliott Wave Trading (Bloomberg Financial)』
WayneGorman、JeffreyKennedy著
エリオット波動を使ったトレードの基本的な考え方の解説と実践例が紹介されている本。
Visual Guide to Elliott Wave Trading (Bloomberg Financial)
⑥『エリオット波動入門』
(パンローリング)
④『Elliott Wave Principle : Key to Market Behavior』の翻訳本
残念ながら誤訳がかなり多く、原書と逆の意味に訳されている箇所もあります。エリオット波動の概要をつかむことはできますが、詳細を知りたいならできるだけ原書と見比べながら読むことをお勧めします。
エリオット波動入門 ──相場の未来から投資家心理までわかる
⑦『エリオット波動―ビジネス・サイクル』
A・ハミルトン・ボルトン著(日本証券新聞社)
③『TheElliottWavePrinciple-ACriticalAppraisal』の翻訳本。
エリオット波動―ビジネス・サイクル
これらの本の中で、現在世界のエリオッティシャン(エリオット波動の研究者や愛好家)の間で最も基本的で権威あるテキストとして読まれているのが④のプレクターの本です。用語や記号の定義や使い方や各種波動の概念についてはこの本のものが業界標準になっています。
残念ながら日本においてはエリオット波動の専門家あるいは権威と言われる人たちでも用語や概念を間違って理解して使用している人たちが多いです。
その一因として、翻訳本の誤訳がひどすぎる、という問題もあります。できるだけ原書とともに読み進める必要があります。
当研究所に対してよく「エリオット波動の権威の××さんはこう言っているぞ!」という反論やご意見をいただくこともあります。しかし、基本的な用語使用から間違っているのであれば、どんな権威の方のご意見でもこちらとしては聞き入れるわけにはいきません。まずは用語使用や基本概念の理解、さらに先人たちの研究成果をきちんとする必要があります。
また、現在最も権威と言われているプレクター本の原書に書いてあることであってもそのすべて正しいわけでもありません。当研究所の観察・研究によると、プレクター本に書いてある説明についても、「これは間違いだな」と判断せざるを得ない箇所がしばしば見受けられます。
ただし、プレクターをはじめ先人たちの残した論文や著者には間違いよりも学ぶべき点が多いということは言うまでもありません。
そうした意味でも、まずは先人たちの理論や現在の標準的な理論をきちんと理解して、その上で自分なりの観察や考察によって反論したり新たな知見を加えたりしていくというのが科学的かつ生産的な研究・分析につながります。
これまでの研究や議論の積み重ねを無視して、なんの根拠もなく自分勝手な用語や概念の使用、分析を行っていては何の意味もないし発展性もありません。
ですから、まずはこれらの本で先人たちの理論や概念をまずは丁寧に理解することからはじめていくべきですし、以上で紹介した本はそうした意味でエリオット波動研究者たちの必読書といえるものばかりだといえると思います。
小泉秀希