一般社団法人 日本エリオット波動研究所

Japan Elliott wave research institute

お馴染みのフィボナッチ・リトレイスメントをイチから

April 1, 2017

こんにちは
「フィボナッチ・リトレイスメントでチャートの未来を予測をしよう!」
のコーナーです。

このようにフィボナッチ・リトレイスメントとは投資家が好んで線を引くことで馴染みのある分析手法ですね。

そこで今回のテーマには、フィボナッチ・リトレイスメントを一から理解することを掲げてみましょう。

さて、フィボナッチ・リトレイスメントとは……!

と、その前に、フィボナッチ数列についてみてみましょう。これ大事です。フィボナッチ・リトレイスメントを知るには欠かせないものです。

フィボナッチ数列とは
数字で表すと、0,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,…… のことです。

日本語で表すと、最初の2項を1,1とし、以降の項をその直前の2つの項の和とする数列です。

 以上を踏まえると、以下のように表現することができます。


ここで、隣り合う2項を割ってみましょう。
つまり、F1-F2-F3-F4-F5-F6…… と数列が並んでいるので隣り同士で割り合ってみます。F1÷F2。F2÷F3。F3÷F4。……というように。この遊びを永遠に繰り返してみます。

すると以下の表現で表せます。

ここで言いたいことは、
この遊びは1.6180339887…に落ち着く! ということです。

折角なので、苦労して得られたこの数値1.6180339887……にカッコよく名前をつけましょう。「黄金比」と。さらに「黄金比」について意味ありげに「φ(ファイ)」と指し示してあげます。

さらに、このφに分数の概念を与えます。
(もう一息ですのであとちょっと耐えながら読み通してください!)
1÷φ (これを「φの−1乗」という)
1÷(φ×φ) (φの−2乗
1÷(φ×φ×φ) (φの−3乗
1÷(φ×φ×φ×φ) (φの−4乗

詳しくいうと、
φの−1乗 = φ^(−1)=1÷φ = (1÷1.618) ≒ 0.618
φの−2乗 = φ^(−2)=1÷(φ×φ) = (1÷1.618) ≒ 0.3819

まとめると、以下のようになります。

これでやっと今回の本題にようやくたどり着きました。

この数値が、フィボナッチ・リトレイスメントそのものです!

何が言いたいかというと、得られた小数をパーセンテージ化してみてみましょう。以下の表現に辿り着きます。

※φの−2乗は0.381966011。これを小数点以下第4位で四捨五入すると0.382になる。つまり38.2%ということになる

※ここでは便宜的に、0.618をF61.8%と示している

そして、F100%が下落トレンドの始点、F0%が底だということを意味します。図にすると以下のようになります。


※ƒは整列した順番を表している。

こうしてやっと、投資家で好まれるフィボナッチ・リトレイスメントを導くことができました。お疲れ様でした。

一般的にF23.6%までしか使われませんが、その先にあるF14.6%、F9.0%やそれよりももっと先の数値を使っていくと新たな着想が得られるかもしれませんね。