一般社団法人 日本エリオット波動研究所

Japan Elliott wave research institute

エリオット波動とは

目次

  1. 波動の基本的な構造
  2. ディグリーとラベリングの表
  3. フラクタル構造
  4. 推進波と修正波
  5. インパルス
  6. ダイアゴナル
  7. ジグザグ
  8. フラット
  9. トライアングル

1.波動の基本的な構造

5波動で推進する動きと3波動で修正する動きが織りなすように展開する

推進: 大きなトレンド方向と同じ向きに動くことで、5波動の動きになる。
修正: 大きなトレンド方向と逆行したり、横ばいに休憩したりする動きで、基本的に3波動になる。

5波動の動き: 上昇方向の5波動の動きの場合、3つの上昇の動きとその間の2つの下落の動きからなる動き。下落方向の5波動の動きはその反対。
3波動の動き: 下落方向の3波動の動きの場合、2つの下落の動きとその間の上昇の動きからなる動き。上昇方向の3波動の動きはその反対。

カウント、あるいはラベリング: 波ごとに数字やアルファベットを付けて波を数えること。波の終点に記号を付ける。推進する波は数字、修正する波はアルファベットの記号にする。

2.ディグリーとラベリングの表

3.フラクタル構造

株価は推進する波(アクション波)修正する波(リアクション波)が幾重にも織りなす形のフラクタル構造になっている。

アクション波: 一回り大きな波と同じ方向に推進する波
リアクション波: 一回り大きな波と逆方向に修正する波

※まぎらわしいが、推進波、修正波はアクション波、リアクション波と少し異なる概念なので注意。推進波、修正波については後述。

波の階層(ディグリー、degree): 1波から5波の5つの波で一回り大きな波が形成され、それを⑴波、⑶波、⑸波などと呼んでいる。また、⑴波から⑸波の5つの波でさらに一回り大きな①波が形成されている。このように株価波動は何重もの階層でできている。こうした波の階層のことをディグリーとも呼ぶ。

副次波: 一つの波を構成している一回り小さな階層の波

フラクタル構造: 小さい構造が集まってより大きな構造ができ、より大きな構造が集まって、さらに大きな構造ができ・・・というように何重にも同じ構造が積み重なっていく構造。そして、小さい階層の構造も大きい階層の構造も類似形になっている構造。株価はまさにこのフラクタル構造になっていて、分足単位で見ても月足単位で見てもほとんど同じパターンが繰り返されている。

1~5波が集まって⑴波や⑶波や⑸波が形成され、A~C波が集まって⑵波や⑷波が形成される。そして、⑴~⑸波が集まって①波が形成される。また、1~5波が集まって(A)波が形成され、(A)~(C)波があつまって②波が形成される。これを繰り返して、どんどん大きな階層の波が形成されていく。

図の矢印で示した⑶波は一回り大きな①波と同じ向きなのでアクション波、⑷波は一回り大きな①波と逆向きなのでリアクション波。
図の矢印で示した(A)波は一回り大きな②波と同じ向きなのでアクション波、(B)波は一回り大きな②波と逆向きなのでリアクション波。

 

4.推進派と修正波

株価の値動きパターンは5つの基本波形に集約できる。5つの基本波形は推進波修正波に大別できる。

推進波: 5波動構成でアクション波として出現する波形。
修正波: 基本的に3波動構成で主にリアクション波として出現するが、一部アクション波としても出現する波形。

5基本波形① インパルス

5-3-5-3-5の5波動構成の推進波で、波どうしの重なりがなくすっきり推進する波形。副次波の1波、3波、5波という3つのアクション波の波で3波が一番小さくなることはない。

6基本波形② ダイアゴナル

3-3-3-3-3、あるいは5-3-5-3-5の5波動構成の推進波で、基本的に波どうしの重なりがあり、波の動きが徐々に収縮して上下どちらかの方向に突き出た形になる波形。一回り大きな波形の中では最初か最後の副次波として出現する。

3-3-3-3-3型ダイアゴナル

5-3-5-3-5型ダイアゴナル

7基本波形③ ジクザグ

5-3-5の3波動構成の修正波。基本的に(B)波終点は(A)波終点を超え、(C)波終点は(B)波終点を超える。

8基本波形④ フラット

3-3-5構成の修正波。
(B)波終点は(A)波始点近くまで戻り、(C)波終点は(B)波終点近くまで戻る形が基本で、レギュラーフラットと呼ばれる。ただし、(B)波終点が(A)波始点を超え、(C)波終点が(B)波始点を超える形の拡大型フラットの方が出現頻度は多い。また、(C)波が巨大化したフラットも時々出現する。

レギュラーフラット

拡大型フラット

C波巨大型フラット

9基本波形⑤ トライアングル

3-3-3-3-3という5波構成の修正波。
5波動構成だが修正波である点に注意。
修正波が横に連なり、徐々に収縮する波形。

※推進波、修正波はあくまでも波形の分類名。それに対してアクション波、リアクション波は一回り大きな波動に対する方向による波の分類名。両者を混同している解説が多いが、それは間違い。

※以下の説明で5-3-5-3-5と書いてある場合、5は5波動構成の副次波、3は3波動構成の副次波の意味で、それらが連なっているという意味。

※3にはトライアングルも含む