一般社団法人 日本エリオット波動研究所

Japan Elliott wave research institute

スーパーサイクル(Ⅳ)波は本当に終わったのか

April 9, 2017


まず、図1を見てください。これは現在想定している225の超長期波動の進行の様子です。若干のカウントの違いはあっても、このように現在すでにスーパーサイクル(V)波が進行中であるというのが、大方のエリオティシャンの間でのコンセンサスだと思われます。しかし、この想定に死角はないのでしょうか。ここで、わたしはスーパーサイクル(Ⅳ)波がまだ終わっていないというカウントを提示し、問題提起したいと思います。

ご存じのように「エリオット波動入門」に載っている、ダウの長期予想は完全に外れていました。その理由の一つが、進行中の波動のサイズを小さく見積もりすぎたことにあります。これは、日頃の小さな波動のカウントの際にもよく経験することです。abcのジグザグ修正が終わり、次の上昇波動に入ったと思っていたらその上昇波動が3波動で終わり、まだフラットを抜けていなかったことに気づくというアレです。5波の副次波インパルス1波が終わっただけなのに、5波全てが終了したと思ってしまうことも珍しくはありません。

同じように、実は図2のように、依然スーパーサイクル(Ⅳ)を進行中というカウントも想定することはできるのではないでしょうか。また、現在は全体がトライアングルになった(Ⅳ)波のb波を進行中かもしれません。何といっても4波です。単純なWXYの複合修正で終わるとは言い切れませんし、スーパーサイクル級の波動が複合修正になるということ自体にも疑問を抱く余地があります。4波がしつこいヨコヨコの動きになることが多いのを、日々チャートを見ている方なら皆さん感じていることでしょう。図1と図2のどちらの想定が正しいのか、もしくは全く違う動きになるのか、その答えが出るのは早くても30年くらいは先になるかもしれません。いずれにせよ、エリオット波動には必ず複数の想定が存在するのです。超長期の波動に関してもサブシナリオを常に用意しておくことが必要であることは言うまでもありません。(有川)